AKANET3号
地元のまちづくりと茜設計
(社)東京都建築士事務所協会豊島支部では豊島区からの 委託を受け、平成7年度から8年度にわたり区内のブロック 塀と崖地調査、さらに区立小学校の耐震診断と耐震補強設計 を行っております。平成9年度から順次補強工事が行われる こととなります。 区民から依頼があった場合、木造建物の耐震診断を、協会 としてお受けする協定を豊島区建築部と取り交わすなど、業 務団体にふさわしい取り組みが行われております。 また豊島区は、大規模な地震に伴い発生する火災から住民 の生命・財産の安全を確保するため、避難地及び避難路の周 辺ならびに延焼遮断帯の区域の不燃化を促進するための「都 市防災不燃化促進事業」にも取り組んでいます。 豊島区の避難計画では、区内の昼間人口の約40%にあた る15万人弱が、わざわざ遠くの避難所へ避難することとな っていました。これは区内にいくつかの広い避難場所があり ながら、周りに木造建物が密集しているため、あまり多くの 人を収容できないからです。地元西池袋地区では、立教大学 が避難場所に指定されているものの、このような理由で安全 な避難場所とは言えない状況でした。 そこで、「都市防災不燃化促進事業」の適用を受け、昭和 60年秋から「立教大学周辺地区不燃化まちづくり協議会」 が地元組織として発足しました。 地味で根気のいるボランティア活動ですが、設立以来委員 として活動している茜設計の宇田川代表は、協議会設立を記 念する「まちづくりニュース」の中で、「安全で住み良い街 をつくるには、まず燃えない街にすることが必要です。しか し不燃化にすることによって、個性のないコンクリートジャ ングルの街にはしたくありません。街にはそれぞれの歴史と 表情があるのですから、どんな街に生まれ変わらせたらよい のか、皆さんと一緒に考えてみようではありませんか」と呼 びかけました。 会長をはじめ、委員各位の熱心な活動によって、不燃化領 域率70%の当初目的は驚異的に達成され、本年度をもって 協議会は解散し、新たなまちづくり組織に移行することとな ります。 |
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