中島ゴールドビル


東京都中央区京橋 1982年

 

 この建物の建つ京橋地区一帯は、東京のビジネスの中心地である。昭和通りを挟んで

『全国信用金庫連合会ビル』と対峙する位置にある。建物正面が西面するため、省エネ

騒音防止対策に主眼を起き、縦軸回転ブラインド内蔵の二重ガラス窓とし、外側には熱

反射ガラスを用いた。

 このビルは、従前社長個人所有の土地の上に、法人名義のビルが建っていたものを取

り壊して、法人と個人の共同ビルとして立て替えたものである。

 立て替えに際して、先ず土地の権利変換(非課税)を行った。個人は従来地代しか徴

収できないのに、相続となれば大きな負担を背負わされてしまう。それがこの事業を行

った結果。地代を遙かに上回る家賃収入が入ることに加え、債務付き償却資産を取得す

ることになり、節税対策としてきわめて有利になった。

 一方法人は、効率的な事務スペースを取得することができ、事務効率と職場環境は格

段に向上したばかりでなく、余剰床からの賃料収入が確保できることとなった。

 

所在地 東京都中央区京橋3−13−10
建築主 中島金属箔粉工業(株)・中島 武
工事施工者 清水建設(株)
主要用途 貸事務所
建築面積 374.12u
延床面積 3,697.98u
構造・階数 SRC造・地上10階/地下1階
建物竣工 1984年8月

 

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