ケース4●深野ビル

マンション初の中間階免震

設計:茜設計、KAJIMA DESIGN(構造)

      ▼1階駐車場と2階の間に免震階

      ▼都民住宅で初の免震構造採用

  

 深野ビルは、完成後に東京都住宅公社が一括借り上げて管理

・運営する「都民住宅」として建設される。当初、非免震で設

計を完了し、いったん建築確認を取得していたが、阪神大震災

の惨状を目の当たりにして免震構造に変更した。

 既に施工者に決まっていた鹿島に委託して構造設計をやり直

し、6月に免震構造評定を取得。現在施行中で、年内には免震

装置が設置される段取りだ。

 建物全体はRC造の14階建。1階部分が店舗と機械式駐車場

2階以上に賃貸住宅83戸とオーナー住宅2戸が配置されている

深野ビルの免震構造の特徴は、1階駐車場と2階床の間に免震

ピットを設けたことだ。中間層に免震層を設けた事例としては

89年にアサノビルディング(事務所ビル、設計:住友建設)が

竣工しているが、マンションでは初めてである。

 中間階に免震層を設けた大きな理由は、次の二つだ。第一

に、基礎免震にした場合、敷地制約から上部構造が動くのに

必要なクリアランスが確保できないこと。第二に、塔状比(

建物の奥行きに対する高さの比)を抑えるため。塔状比が大

きくなり過ぎると免震階に加わる転倒モーメントが大きくな

り、免震装置に引張力が働く危険が生じるからだ。塔状比を

抑えるために、柱をバルコニー外に出す工夫もした。

 免震装置は高減衰積層ゴム18体。免震ピットの階高は2m

で、ピット内に可燃物がなく防火区画されていることから、

防火評定は不要とされた。もともとここに配管ピット層を設

けていたため、建物の基本的な構造は大幅な変更を行なわず

にすんでいる。

 中間階免震であることから1階エレベーターシャフトは2

階以上の上部構造からつっており、周囲にクリアランスを確

保している。ほかにピット内の配管類や、外部階段も、上部

構造の水平移動に追随できるディテールとしている。

 免震化することによりSRC造からRC造に変更できたた

め、免震化に伴うコストの増加はほぼ相殺できたという。

 

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