AKANET3号

 明治7(1874)年、アメリカ人宣教師ウイリアムズ主

教が、築地の外国人居留地近くに私塾として開校したのが始

まりである。明治40(1907)年立教学院立教大学とな

り、大正7(1918)年に現在地、豊島区西池袋に移転し

まもなく創立125年を迎える。

 立教大学の建築群は、東京駅と並んで日本の大規模煉瓦造

建築を代表するものであり、設計は米国のマーフィ・アンド

・ダナ建築事務所、施工は清水組(現清水建設)であった。

 大学本館(モーリス館)・図書館・礼拝堂・寄宿舎(現研

究室)・食堂・体育館及び校友会館(現診療所)の八棟は赤

煉瓦造りで、重厚で規律のあるゴシックリバイバル様式であ

る。この様式は、16世紀の英国のチューダー王朝時代に完

成した正統なゴシック様式を合理化したもので、20世紀の

米国でブームを引き起こした。尖頭アーチ型の窓や出入口の

意匠に特徴があり、我が国では真新しい建築様式であった。

とりわけ、立教大学煉瓦造建築群の格調の高さと保存状態の

良さは、他に類を見ないと云われるほど良好である。

 キャンパス内には、灰田勝彦のヒット曲「鈴懸の径」のモ

デルとなった鈴懸の並木道があり、歌碑も立っている。毎年

クリスマスには、本館前の中庭に聳えるヒマラヤ杉の大木に

灯るイルミネーションと、キャンドルを手にした学生が街を

練り歩くキャロルは、池袋の風物詩の一つである。

雪化粧の立教大学本館

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