TOMY’S HOUSE


東京都渋谷区神宮前 1987年

 

 この付近一帯は、閑静な住宅地であったが、近年はアパレル産業関連の事務所が林立し

業務立地として顕在化しているのが現状である。しかし、用途地域は依然として最も厳し

い第一種居住専用地域に指定されていて、業務用途は原則禁止である。

 昭和63年の用途地域見直しに際し、地域の実情から当然見直しが行われるとの見通し

があったが、大もめにもめた結果、従来通りに第一種住居専用地域のままにすることが決

定された。

 できれば事務所ビルにしたいとのオーナーの希望であったため、1フロアー1住戸の外

国人向けマンションとして計画し、見直しが行われ用途規制が解除された場合、用意に変

更可能な両面計画として進められたが、上記の経過から当初計画通りで完成した。

 平面計画上の特徴は、建物中心部に3層吹き抜けの大きなパティオ(中庭)があり、各

室の通風、採光上の配慮がなされている。また、各住戸はプライベート部分とパブリック

部分とを明確に分離し、その中間部分に家族室がパティオに面して配置されている。

 

所在地 東京都渋谷区神宮前3−36
建築主 山木 登美子
工事施工者 (株)ナカノコーポレーション
主要用途 共同住宅
建築面積 294.27u
延床面積 835.94u
構造・階数 RC造・地上3階/地下なし
建物竣工 1988年4月

 

前のページに戻る